『鉄人28号~白昼の残月~』を観た。
古くは灼熱ゴッドフィンガーや味皇海パン全力疾走でおなじみの、
爆裂演出今川監督による『鉄人28号』の映画版である。
今川版『鉄人28号』
内容的にも作画的にも横山光輝の原作を基本にしながら
戦争という名とともに捨てられようとする負の遺産たちにスポットを当て、
戦争を知らない少年の目を通して戦後を描くかなり骨太なドラマである。
いつものスパーキングな今川節は形を潜め、
変わりにジャイアントロボから踏襲されるテーマ、
『親から強大な力を否応なく押し付けられた子供の苦闘』を
戦後の日本になぞらえて話は進んでいく。
映画版ではより戦後というテーマを深く掘り下げるためか
テレビ版の登場人物を再構成してあり、
少年探偵金田正太郎の活躍よりもう一人のある人間の物語が強く描かれている。
タイトルにもある『白昼の残月』はいくつもの意味合いをもっており、
その一つである『復員兵残月』の正体は容易に想像がつくだろう。
でも大切なのは謎解きではない。
奇をてらって観る人を驚かせて優越感といった程度の低いシナリオではない。
生まれた時から戦争を肯定する事を教えられ
戦争の中でしか生きる選択のなかった者が
敗戦によって自分の信じていたもの全てを壊される。
その破壊は狂気の終焉であり救済でもあるはず。
平穏で平和で殺すことも殺されることもない生活。
だがその者が信じていたものはそこにはもう何もない。
死ぬことの出来なかった自分への怒り、
生き直すことを選んだ他者への怒り。
戦争、そして戦後という名前すら急速に忘れていかなければならない日本に
もはや必要とされない心。
否定されるだけの心。
何の価値も与えられない心。
それは戦争で使われることのなかった負の遺産『鉄人』に憑依する。

平和の中にあってももはや救われない魂。
それを産んでしまうのが戦争の一番の罪なのであろうか。
古くは灼熱ゴッドフィンガーや味皇海パン全力疾走でおなじみの、
爆裂演出今川監督による『鉄人28号』の映画版である。
今川版『鉄人28号』
内容的にも作画的にも横山光輝の原作を基本にしながら
戦争という名とともに捨てられようとする負の遺産たちにスポットを当て、
戦争を知らない少年の目を通して戦後を描くかなり骨太なドラマである。
いつものスパーキングな今川節は形を潜め、
変わりにジャイアントロボから踏襲されるテーマ、
『親から強大な力を否応なく押し付けられた子供の苦闘』を
戦後の日本になぞらえて話は進んでいく。
映画版ではより戦後というテーマを深く掘り下げるためか
テレビ版の登場人物を再構成してあり、
少年探偵金田正太郎の活躍よりもう一人のある人間の物語が強く描かれている。
タイトルにもある『白昼の残月』はいくつもの意味合いをもっており、
その一つである『復員兵残月』の正体は容易に想像がつくだろう。
でも大切なのは謎解きではない。
奇をてらって観る人を驚かせて優越感といった程度の低いシナリオではない。
生まれた時から戦争を肯定する事を教えられ
戦争の中でしか生きる選択のなかった者が
敗戦によって自分の信じていたもの全てを壊される。
その破壊は狂気の終焉であり救済でもあるはず。
平穏で平和で殺すことも殺されることもない生活。
だがその者が信じていたものはそこにはもう何もない。
死ぬことの出来なかった自分への怒り、
生き直すことを選んだ他者への怒り。
戦争、そして戦後という名前すら急速に忘れていかなければならない日本に
もはや必要とされない心。
否定されるだけの心。
何の価値も与えられない心。
それは戦争で使われることのなかった負の遺産『鉄人』に憑依する。

平和の中にあってももはや救われない魂。
それを産んでしまうのが戦争の一番の罪なのであろうか。

